嗜癖(しへき)と依存症

(ドロップ ザ ロックp52)

ここで言う嗜癖とは依存症というほどではないものの他の一般の人々に比べると明らかに「囚(とら)われている」状態を指します。
言うならば大酒飲みとアルコール依存症の関係です。
いわゆる大酒飲みには精神面での強迫観念も肉体面での渇望現象もありません。
しかしずっと大酒飲みを続けているとルビコン川を知らない間に渡ってしまい、気が付くとアルコール依存症になってしまっているということになります。

一般的に言って何らかの依存症を持っている人は他にも依存症をもっていたり、(依存症のレベルにはなっていないものの)嗜癖をもっているものです。
と言うか他の嗜癖を持っていない人のほうが珍しいぐらいです。
依存症から回復するだけでなく、12ステッププログラムに取り組むことによって他の嗜癖からも回復することが可能です。

二種類の対応の仕方

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一つは嗜癖を仮想依存症に見立てるやり方

このやり方を採用する方は多くおられます。
たとえば薬物依存の方が、自分が薬物を使用するのは性交渉の時であることに着目して、自分は性依存症ではないかと考えます。
(反対の場合もあります)
それで薬物依存のミーティングに行きつつ、性依存のミーティングにも顔を出すということをします。

このやり方は効果はありますが、なかなか続けるのが難しいようです。
なぜなら、これは単なる大酒飲みがアルコール依存のミーティングに出席しているようなものだからです。
はじめのうちは良くても次第に「自分は彼らほどひどくはない」などと考えがちになります。
それでミーティングから次第に足が遠のくようになります。

このやり方は続けることさえできるなら大変効果的なやり方です。
なぜなら、ひとつの依存症から回復した人は回復のコツをつかんでいますから、他の嗜癖にもそのコツを応用することができるからです。

もう一つは嗜癖を短所として捉えるやり方

ミーティングの後でタバコを吸う方がおられます。
ありのパパがこれを始めて見た時「アルコール依存から回復してもニコチン依存からは回復できないのかな?」と思いました。
しかし彼らの依存との戦いを理解するにつれて、「タバコぐらい多目に見ればよい」と考えるようになりました。

しかしドロップ ザ ロックにはタバコも嗜癖の一つにあげられています。
AAの創設者であり、12ステッププログラムの考案者であるビル・Wもヘビー・スモーカーであり、肺癌で亡くなったことを考えると、これは時代が変わったということだと思います。

不思議なことにニコチン依存症のミーティングというのはありません。
ですからタバコをやめようとするときに仮想依存症に見立てるやり方は実践不可能です。
どうしても短所を取り除いていただくやり方でやるしかありません。

このやり方の長所は、短所を取り除くというとらえどころのない作業を目に見えるものに代えてくれるということです。
(ありのパパを含めて)回復はしたが短所を取り除くステップは難儀しているという人は多いです。
もちろん、これは一回限りのものではなく、生涯を通じてのものであるということを知っておく必要があります。
しかしそれにしても余りにも短所が取り除かれていないと感じる方は多いのではないでしょうか。

効果的であると考えられる一つのやり方は、利己的・不正直・恐れ・配慮不足という抽象的な性格上の欠点に、喫煙(きつえん)習慣などの具体的な短所を加えることです。
自分の中から無くなってくれればよいと考えているものを短所リストの中に入れます。
そしてステップの6と7に取り組むなかで、この具体的な短所を取り除く作業を神と協働して取り組みます。

もちろん具体的な短所が取り除かれたことに安住してはなりません。
本質的な短所を取り除く作業も忘れてはなりません。

◎私たちが依存症から回復するだけでなく、すべての嗜癖からも解放されることができますようにと祈ります。
平安と祝福を祈っています。

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