株式投資の底突きと依存症の底つきは違う。本当の底つきとは?

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①底つきとは一体何のことでしょうか?

株式投資の世界で、底突きと言えば株の値がもっとも安くなり、あとは値上がりするだけという底値(そこね)のことです。
では依存症の世界で言う底つきとは何でしょうか?
ある依存症からの回復を目指す施設の指導者が次のように言われたことがあります。
「以前は底つきと言うと、『本人が底つきを体験しないと、他の人が何をしても無駄』みたいな言い方がされてきました。これは徹底的に間違った理解であり、結局福祉職の人々が何もしない言い訳に使われていたということも出来ます。」

②依存症における本来の底つきとは何でしょうか?

それは「こんなことをしていてはいけない。私は回復を目指して歩みを始めなければ大変なことになる」と人生のどこかで決断することです。
そしてそのような決断をし、歩みをなし、あとから振り返ってみたときに「あの時が、まさしく底つきだったんだ」と改めて思うもののようです。

➂来日したあるオリンピック選手のこと

長野オリンピックのとき、来日したスポーツ選手のなかにアメリカAAメンバーがおられました。
その方の分かち合いを人づてにお聞きしました。

「あるときお酒を飲んで、気づくと公園のベンチで寝ていました。それが切っ掛けで私はAAに参加することになりました。」

この分かち合いは現地のAAメンバーに良い感化を与えました。
なぜならその当時我が国では、幾多の修羅場をくぐり抜けてからAAに繋がるのでなければ回復に本腰を入れることが出来ないのではないかという間違った理解があったからです。

しかしその方は全く異なる考えを持っておられました。
「私と私の家族は、プロスポーツの世界で活躍するために全てをささげて来ました。ですからアルコール依存のために、それまでの努力を水の泡(あわ)にするわけにはいかなかったのです。」

彼はアルコール依存にかかわることで専門病院に掛かったことが一度もないそうです。
それにも拘らず、彼は異国の地で行われる競技会に参加しているときも、欠かさず現地のAAミーティングに出席されるほどの徹底した熱心さを持っておられるのです。

④他の回復した人々の経験

ありのパパが12ステッププログラムを学んでいるとき、他の方々も「このままではいけない。回復への歩みを始めよう!」と決心したときが底つきだったと分かち合われておられました。

もしあなたが間違って「これ以上ひどい状態はないというところまで落ち込むのが底つきだ。その底つきを体験してからでも回復を決心するのは遅くない」と考えておられるなら、あなたはご自分の人生を棒に振ることになります。
なぜなら「これ以上ひどい状態」などどこにも存在しないからです。
それは底無し沼であり「底無し地獄」のようなものだからです。

◎回復しようと決心したときが底をついた時です。
私たちお互いは人生の方向を転換して回復への道を歩ませていただきたいものです。
平安と祝福を祈っています。