回復のために神に委ねることが出来ないのはなぜか?

(ステップ3)

ステップの3は自分の意志と生き方を、自分なりに理解した神に委ねるステップです。
このステップで理解が難しいところは二つあります。
一つは自分の意志とは何か?という問題です。
もう一つは自分なりに理解した神とは何を意味しているのか?という問題です。

今日はこの問題を皆さんと御一緒に考えてみます。

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1.自己意志で生きていけなくなった理由

私たちが自分の意志を使って生きていけなくなった真の原因は強迫観念です。

強迫観念をビッグブックでは『最初の一杯の狂気』と呼んでいます。
では狂気とは何でしょうか?
狂気とは真実ではないことを真実と信じ込むことです。

私たちは何度も何度も失敗しているのに「今度こそ、うまくいく」という思い込みをしていることはないでしょうか。
「私はそんなことない」という方であっても安心はできません。
なぜなら私たちの心には強力な否認のシステムが働いているからです。

他人がギャンブルにのめり込むと簡単にギャンブル依存症というレッテルを貼ります。
しかし宝くじを毎回毎回懲りもせず行列にならんで買っている自分が、ギャンブル依存症であるなどとは微塵(みじん)も思わないものです。

宝くじを買う人はいくつもの言い訳を用意しています。
いわく「息抜きだ」「たまにはときめかないと」「大した金額ではない」などです。
しかし今までに宝くじに投資したお金の総額を考えると卒倒してしまうほどの金額をどぶに捨てているのではないでしょうか?

この見え透いた言い訳を正しい言い訳であると思い込んでしまうことを狂気と呼びます。
私たちの心と生活に、この狂気は潜んでいないでしょうか?
心したいものです。

2.神について

宗教が教える神は、信徒全員が同じ神を信じます。
しかし、12ステップでいうところの神は「自分なりに理解した神」であり、どんな神でも良いとされています。

自分が解決できない場合でも、自分以外の力に頼れば解決が可能なときもあります。
しかし解決できたからと言って、自分が(解決したわけではないゆえに自分が)無力でなくなったわけではありません。

また、宗教を拒否したからといって、神を否定したことにはなりません。
「神が分からない」と言っているとき、その人は他の人が信じる神が自分には分からないと語っているのに過ぎません。

そういう訳ですから、あなたが「これなら信じることができる」というところからスタートすることが可能です。
これが12ステップの霊的なやり方なのです。

3.意志(will)とは何か?

意志とは、何をするべきかを選ぶ精神の力であると言うことが出来ます。
12ステップが言うところの『生き方』とは人生(life)とか生活という意味です。

意志の力が行動を生み出すます。
行動の積み重ねが生活と人生になっていきます。

同じ考えで(何回も失敗しているにもかかわらず)今度こそうまく行くと考えるのは強迫観念です。
本当の自由とは、やるべきと分かっていることをやれる自由です。

依存症の人が回復するためには二つのものをあきらめなければなりません。
一つは依存の対象になっている物であり、もう一つは自己意志です。

意志とは前出の通り、何をするかを選ぶ精神の力ですが、ここに一つ問題があります。

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4.委ねられない本当の理由

欲求が暴走した結果、恨みや恐れが生まれ、それが神のコントロールを受けさせなくしました。

わたしたちは、なぜ傷つくのでしょうか?
それは欲求を満たしたいという思いが暴走して、他の人を傷つけてしまったからです。
傷つけられた人は当然のことながら私たちに向かって反撃します。
それによって私たちは『傷ついた』という感情を持つようになるのです。
要するに、これは一人芝居のようなものです。
一番大きな問題は、私たちが恨みや恐れをもっていると、神に自己意志を委ねようとしても委ねることが出来ないということです。

5.回復と自己意志の関係

12ステップに取り組んである程度経つと「昔は変な行動を選んでいたな」と思うようになります。
言い方を替えると「回復するとは回復以前の自分の行動が恥ずかしく思えるようになること」と言って良いかもしれません。

私たちが「自分の意志や考え方が変わってきた」という体験を持ちたいなら、私たちはどうしても「あえて自分の意志を手放す」という選択を日々の生活の中で行うことが必要です。

◎私たちの欲求をコントロールしてくれるのは私たちの奥深いところにいる神にほかなりません。
その神に私たちが繋(つな)がっていく手順が12ステップであるのです。
平安と祝福を祈っています。

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