インナーアダルトを育てる

「インナーチャイルドなら聞いたことがあるが、インナーアダルトとは何か?」と思われる方も多いと思います。
アダルトチルドレンの問題を考える場合のインナーチャイルドとは、愛をもって育てられるべきであった幼いときの自分自身が、育てられずに放棄されてそのままでいる自分自身のことを言います。
ではインナーアダルトは何かというと、そのインナーチャイルドを育てることを言います。
要するに親に育ててもらえなかったので、大人になった今は自分が自分自身の親になって育て直しをすれば良いということです。
今日はこの問題を皆さんとご一緒に考えてみたいと思います。
なお今日の文章は子どもを生きればおとなになれる―「インナーアダルト」の育て方を参考にしています。

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①自分自身を認める。

これは自己受容ということです。
どんなカウンセリングの流派でも、まず(自己)受容からはいります。
ありのパパはカウンセリングを学んでいる最中から泣けて泣けて仕方ありませんでした。
何でこんなに泣けるのかと不思議に思ったほどです。
今から思うと、あれは自己受容の概念を学びながら同時に自分自身を受容していたのだと理解することができます。

アダルトチルドレンの概念に出会う前に、自己受容をちゃんと学んでおくことが出来たのは幸いでした。
なぜなら自分自身の生き辛さの原因を知ったことは良いことでしたが、しかしそれでもなお「現在の自分自身に対して責任を持っているのは私であり、私の親ではない」ということを理解できていたからです。

②支配しようとする心を手離す。

アダルトチルドレンの親というものは、大体において場のコントロールが下手です。
まぁ、場のコントロールが下手というよりも、初めからその気がなかったという方が適切かもしれません。
独りよがり・思い込みの強さ・気分次第(きぶんしだい)の親に育てられると子供はどうなるかというと、振り回された子供時代を過ごすことになりますので「今度はそうはさせない」と強く思うようになります。
これが大人になって何かにつけて強烈な支配欲求が現れる原因となります。

子供のときに思った「自分なら、こんなことはしない」という思いは、正しく、また共感できるものです。
しかしアダルトチルドレンの問題は、大人になった今も子供のときにサバイバルのために用いた考えを固守しているところにあります。
誰も支配されてうれしく感じる人はいないという現実を認め、支配をある程度手離すことです。
丁度アイススケートの習い初めは手すりをしっかり握っていても、慣れると手すりから手を離してリンクの中央に移っていくようにです。
アダルトチルドレンは「今度こそ混乱させられないぞ!」と力みかえって手すりをしっかり握っている子供のようです。
しかしそうしている限り、自分の人生という名前のリンクの中央に立つことは出来ないままであるのです。
大人になろうとするなら、どうしても支配する心からある程度自由になる必要があります。

③感情を感じる。

感情を感じるとは、変な言葉ですね。
感情を感じている人にとっては当たり前のこと過ぎて何を言っているのか分からない言葉ですし、感情を感じることができない人にとっては余りに別世界の話しすぎて想像することさえ出来ない言葉です。
まず問題は自分が感情を感じているかどうかを知ることにあります。
そして感情を感じていないということに気づいたら、感情を感じるようにするプロセスを踏むことです。
大変興味深いことは怒りっぽい人は怒りの感情を感じていると他の人は思っていますが、実はそうでない場合も多いということです。
突発的な怒りの爆発というものは、怒りの感情を無意識のうちに我慢して我慢して抑圧する故に起きます。
ですから当の本人は感情を感じていない場合も多くあります。
ですから「自分では自分のこと、どんな人だと思う?」と聞くと、「物静かな人だと思う」と答えたりするものなのです(笑)。

④ニーズを見分ける。

自分の感情を認めてない人に「どうして欲しい?」と聞いても適切に答えることが出来ない場合がほとんどです。
「皆が良いんだったら、私は別にそれで良い」とか「別にありません。今のままで良いです」と答えるケースの多くが、自分の感情を認めていないという理由が背景に潜んでいます。
ニーズを見分けるとは、「怒りを感じるのだったら、どうしたらそれを解決することが出来るのか?」また「寂しさを感じるのであれば、どうしたらそれを解決することが出来るか?」ということです。
青年たちが性的罪に弱い理由の一つは、親の愛情を無意識のうちに求めているということがあります。
しかし性的交渉では親によって満たされなかった感情を満たすことは出来ませんから「今度こそ満たされるかもしれない」と相手を取っかえ引っかえするようになります。
自分は親によって与えられなかった「満たされた思い」を満たそうとして異性を求めているということが分るのがニーズを見分けるということです。

⑤限界を知り、境界線を引く。

子供時代の私たちアダルトチルドレンは、親によってずけずけと境界線を踏み越えて侵入され、子供には出来るはずのないものを出来ないと言って責められました。
それらの生育歴の故にアダルトチルドレンには限界を見分けるという概念がそもそもありません。
「何でこんなことが出来ないの?」と言われて、今だったら「お前だって、出来てないだろ!」と反撃するのですが(笑)、子供時代はなすすべなく親の言うことを真に受けて「今度こそうまくやる」と決意を新たにするのです。
これが大人になってアダルトチルドレンが仕事にのめり込む仕事中毒や、様々な依存症に陥りやすい原因となっています。

境界線の問題にしても、自分の中にそもそも境界線という概念がありません。
頭では分かっても、それを尊重された記憶がありませんから、他人に対してどこまで近づいて良いのかということが分かりません。
また大人になっても境界線を踏み越えて侵入してくる人に「No!」と言うことができません。
それで我慢して我慢して自分がおかしくなるまで耐えます。
人から「それ、おかしいやろ!」と言われて、「やっぱり?」などと呑気に答えてしまうのです(笑)。

◎自己受容⇨支配を手離す⇨感情を感じる⇨ニーズを見分ける⇨限界を知り、境界線を引く。
これがどうやらアダルトチルドレンにとっての回復のための方程式であるようです。
私たちお互いは、この道を通って回復の大路を進み行きたいものです。
祝福と平安を祈っています。

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