多文化主義がテロを誘発した?

イギリスの保守党の首相が「我々の多文化主義は失敗した」とドイツでの講演で述べました。
これはイギリス国内のイスラム教徒のコミュニティーがイギリス主流派の文化に同化せず、分離・孤立したままでテロに走ったという認識が背景にあります。
今日はこの問題を皆さんとご一緒に考えてみたいと思います。

①多文化主義とは何か?

多文化主義とは多元主義とも言うことができます。
異なる習慣や物の考え方の相違を超えて、同じ人間であるという基本認識の上に共存を図るという考え方です。
多文化主義とは、決して「あんたたちは貧乏のままで、勝手に生きていて良いよ」という豊かな者にとっての都合の良い思想ではありません。

②テロの真の原因は国内の貧富の甚(はなは)だしい格差にあります。

キャメロン首相は保守党であり、「鉄の女」と言われたサッチャーさんが始めた新自由主義経済政策を現在も継続しています。
新自由主義経済政策とは、政府の役割を小さくし、経済活動における自由競争を活発にすることによって経済成長を図ろうとする考え方です。
これはよほど目配りを十分に行わないと、国内における所得格差を拡げ、貧しい者はもっと貧しくなり食べることさえ出来なくなり、豊かな者は不正な手段を用いて国内の富を収奪するという結果になります。

③我が国では小泉元首相がこの新自由主義経済政策の実行者となりました。

その結果、年間所得が二百万円以下の世帯が一千万人を超える事態となりました。
以前は、ホームレスになるのは努力が足りないからだと国民は考えていたのですが、今では自分の子供たちが正社員になれず、派遣社員のまま15万円の月給で働かされているのです。
成功者といわれて頂点に立った人々は、その多くが不正な手段で富を収奪していたことが明らかになり、逮捕されました。

所得格差の諸悪の根源である「労働者派遣法」の抜本改正を社民党が予算案の協力と引き換えに政府与党に迫っています。
これは実に適切な対応であり、「頑張れ社民党!」と言いたいです。

④現在のイギリスは教育予算削減のため公教育の現場は荒(すさ)みきっており、病院などの医療現場も崩壊寸前であると言われています。

自らの政府が押し進めた弱肉強食の経済政策の結果、国内に貧しい人々が増え、その人々のうちの特定の者がテロに走ったのです。
そうであるのに根本原因を解決しようとせず、多文化主義が失敗したなどと的外れな分析などをしても仕方ないだろうと思うのです。
彼がやるべきことは国内の経済格差を縮めることであり、ほとんど壊滅状態にあると言われる公教育と医療を建て直すことです。

⑤それとも彼らはテロの温床になっている貧富の格差にはあくまでも知らん顔を決め込み、ますます一部の者が富の収奪をする政策を押し進めようとする魂胆なのでしょうか?

そんなことをするなら、ますますイギリス国内でテロは活発化すると思います。
テロを行った若者たちは彼らの親とは違って生まれたときからイギリスで生活しています。
それで彼らは「自分たちもイギリス国民なのに、なぜ学ぶ機会が与えられず、就労するチャンスもないのだろうか?」と疑問に思うのです。
そのようなときイスラム原理主義の宣伝に触れて、いともたやすく洗脳されてしまいます。

◎「金持ち喧嘩せず」と昔から言います。
貧乏だから、過激思想にかぶれたり、挙げ句の果てにテロに走ったりするのです。
テロを根絶しようとするなら、一部の者が不正な手段で富を得るのを認めず、国民全体の所得が増える政策を行うことです。

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