人は愛するに足り、真心は信ずるに足る アフガンとの約束

今日は『人は愛するに足り、真心は信じるに足る』という書籍のご紹介です。

①アフガン戦争のとき、一時帰国した中村哲さんにフジテレビアナウンサーが自分の願うような答えをさせようとするのですが、中村哲さんはそれらの質問に対してことごとく正反対の答えをしていたのを興味深く思い出します。

フジテレビアナウンサーの頭の中には「想定問答集」とでも言うべきものがあり、その台本に基づいて会話を進めます。
彼らにとって真実などは正直なところどうでもよく、アメリカが描いた脚本を忠実になぞることだけが大切なことなのだということが分かった瞬間でした。

②ハンセン氏病治療を中心に活動を行っていた中村哲さんですが、次第に病気の原因・背景に関心が向かうようになります。

彼らが病気になるのは衛生状態が悪いのが一番の原因です。
それで中村哲さんは井戸を掘ることにしました。
それまでは濁った川から水を汲んできて、飲食に利用していました。
それが病気に罹患する最大の原因だと考えたからです。

③さらに中村哲さんは彼らの栄養状態を改善するためにはどうしたら良いかを考えるようになります。

栄養状態が改善されれば、病気に対する抵抗力がアップし、病気にかかりにくくなるからです。
それで中村哲さんは今度は水路を掘ることに挑戦し始めます。
現在では現地の方々は中村哲さんが医者であることを忘れてしまうほどだそうです。
中村さんの前で皆の者が「誰それが怪我をした。大変だ。医者に見せなければ」と右往左往しているそうです。
それで中村さんは「俺は医者だ!」と叫ぶと、皆さんは「あぁ、そうだった。中村は医者だった(笑)」と思いだすのだそうです。

④中村さんは十歳の息子さんを脳腫瘍で亡くされるという経験をしておられます。

ありのパパはその当時のことを少しだけ知っているのですが、中村さんはラジオのインタビューでそのことを聞かれ「息子は『一回は誰でも死ぬのだから』と言って平静を保っています」とお答えになっておられました。
その様子が余りに淡々としておられるので、ありのパパは違和感を感じたほどでした。
しかしこの本を読むと、実はそうではなかったことが明らかになります。
中村さんは僅か十歳の息子さんを先に天に送られたことに対して、大変な喪失感をもたれたということが本には書かれてあります。

⑤聞き手の澤地久枝さんのこと。

この本を出版を思い立たれた澤地久枝さんは「女たちの2.26事件」などの本を書いておられます。
その姿勢は一貫して国家や権威筋が言うことを真に受けない、「真実とは何か?」を追求する姿勢に貫かれております。
その澤地久枝さんが現在の我が国の現状を見るとき危機感を覚え、「何とかしなければならない。私に出来ることは何だろうか?」と思われたのが、この本のそもそもの出版の動機だそうです。
我が国の人々に、「同胞の中にこんなにも高い志を持って何十年にも渡って活動しておられる人がいる。私たちも自分に何が出来るかを考えようではないか」というメッセージを送りたいと考えておられます。

中村さんはご自分がクリスチャンであることを大上段に構えず、ひょうひょうとしておられるのですが、聞き手の澤地久枝さんは本の中で繰り返し「これは彼がクリスチャンであることが大きい」とか「これはキリスト教信仰から来ているのではないだろうか」と書いていてくださっています。

◎どうぞ皆さんも、『人は愛するに足り、真心は信ずるに足る アフガンとの約束』をお読みになってください。
岩波書店から、1900円で出版されています。
なお図書館で借りることも可能です。

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