真実をねじ曲げる人々

アメリカ農務省の黒人の女性官僚が白人を差別する逆差別を行ったとして解雇される事件がありました。
しかし証拠とされたビデオテープが捏造されたものであることが最近明らかになりました。
事件の概要は次のようなものです。
全米黒人地位向上協会の大会で来賓として挨拶したシャーリー・シェロッドさんは「私は父を白人に殺された経験をもっているが、今の職に就いてから白人・黒人の区別なく貧しい農民のために働くことの大切さを理解した」と述べました。
その様子を録画したビデオテープが、改竄(かいざん)されて「白人の農民が助けを求めに来たが、私は親身に助けなかった」と言っているように編集されてしまいました。
このビデオテープを編集した保守系活動家が、それを自分のブログに載せました。

保守系マスコミと言われるFOXニュースなどは大々的に何回も放送しました。

人種問題の再燃を恐れるオバマ政権は早めに手を打たなければならないと考え、本人の弁解を真摯に聞くことなく解雇に踏み切ったとされます。
解雇した後で、実はこれが捏造であることが判明し、農務省はシャーリー・シェロッドさんに謝罪をし、復職してくれるようにお願いしたそうです。

この問題は私たちに何を教えているでしょうか?

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①事実を何よりも大切にしなければならない

議論が白熱してくると、往々にして議論の出発の元となる事実がどうかということが忘れ去られ、ただ議論に勝つことに気持ちが行きがちです。
このアメリカの事件でも「そんなことは言っていない」と弁解する本人の言うことをろくに聞きもせず、解雇に踏み切ってしまいました。
それは事実よりも、人種対立の再燃を政府が恐れたからです。

②事件を起こした者の動機

ビデオテープを捏造した保守系活動家とされる犯人は、自らが属するグループが「人種差別的である」と全米黒人地位向上協会から批判されたことへの仕返しであったことを認めています。
はからずも犯人は自分の今回の行動によって、自分が属する団体が本当に人種差別的団体であることを証明してしまいました。

③アメリカでこの事件が起きた背景

医療保険改革と金融改革と温暖化対策が、オバマ政権の三大公約であると言われます。

国民皆保険制度の導入で影響を受けるのは、生命保険業界です。
なぜなら民間の医療保険によって莫大な利益を得ているからです。
金融改革法案で影響を受けるのは金融界です。
そして温暖化対策法案で影響を受けるのは、製造業・石油精製などの産業界です。

これらの法案はいずれも、これまでの自由放任政策を修正して経済界の行き過ぎを規制しようとするものです。
これが保守系の政治勢力には我慢ならないようです。
この三つの法案の中で経済界に最も影響を及ぼすのが、温暖化対策法案です。
そこで経済界の献金を貰っている保守系政治勢力は、全力でこの法案の成立阻止に向けて動き始めたというわけです。
その活動はある程度成功しているようです。
アメリカ国民の間にはオバマ大統領の指導力に対して不安をもっている人が多数を占めるようになってきたからです

④我が国はどうか?

我が国でも、神道原理主義者が捏造と妄想の歴史観である「自由主義史観」を国民に押しつけようとしています。
彼らはこともあろうに、歴史の事実から目をつぶり、あったことをなかったと強弁します。
それは三点セットとも言われる、南京大虐殺と従軍慰安婦と日本軍による沖縄住民虐殺です。
なぜ彼らがこれらのものを全力で否定しに掛かるかといえば、それはこれらの事実がある限り、神道原理主義がこの国を乗っ取ることが事実上不可能だからです。
それで彼らは、あったものをないという詭弁を繰り返していますが、誰も相手にする者はおりません。
ただ彼らの仲間である妄想性人格障害者と良心を持たない者たちが賛同しているのに過ぎません。

⑤自分が強く主張したいことがあっても、事実を捏造してはならない。

子供が何か買ってもらいたいときに、親に「皆が持っている。だから自分が持っていないと恥ずかしくて学校に行けない」と嘘を言うことがあります。
賢い親が学校に確かめに行くと、誰もそれを持っている者はいなかったというのは、良くある話です。
これとは次元が違いますが、自分の言っていることに皆に振り向いてほしくて事実を捏造するという手を使うと、その者は社会的に抹殺されます。
これはリベラル・保守派ということに区別はありません。
「嘘をついてでも」という誘惑は誰にでもありますが、この誘惑に屈してはなりません。
この誘惑に屈すると待っているのは滅びということになります。

◎神を信じる者は嘘をついてはなりません。
なぜならモーセの十戒に「偽証してはならない」とあるからです。
キリスト教関係者が多いといわれるアメリカの保守政治勢力ですが、実態は違うようです。

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