世俗主義の危うさ

世俗主義とは、信仰は心の中だけに止め、社会のことは信仰とは別のルールによって対処しようとする信仰のあり方です。
トルコは典型的なイスラム教の世俗主義国家と言えるでしょう。
(そのトルコも福祉党と言うイスラム原理主義ではありませんが、世俗主義を明確に否定する政党が勢力を大きく伸ばし、近年は政権を担当するまでになっています。)
聖書にも世俗主義が登場するのを皆さんはご存じでしょうか?
それはヨハネ福音書19章12節です。
「ユダヤ人の指導者たちは狂ったように叫んだ。『もしその男を釈放したら、皇帝陛下に反逆することになります。その男は自分を王だと言っているのですから』」
なぜ、この発言が世俗主義になるのかを、皆さんとご一緒に考えてみたいと思います。

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1.聖書に見る世俗主義

ユダヤ人は自分たち以外の人間を蔑視していました。
イエスでさえ、異邦人の婦人に対して「犬」と呼ばれたほどです。(もちろんこれには理由があってのことであり、本当に犬だと思っていたわけではないのはもちろんです。)
それにもかかわらず、自分の都合にあわせて倫理基準をいとも簡単に変更し、ここではローマ帝国の忠実な臣民を演じているのです。
これが神の御心に反していることは、アブラハムが妻のサラを自分の妹と偽ったことを主がお怒りになられたことからも明らかです。
神の御心は、誰に対してもいつも同じ姿勢をとることであり、相手に合せて言うことが変わらないことです。

2.世俗主義の本質

①世俗主義の本質は「おのが腹をおのが神とする」ということです。

結局、一番自分が可愛いのです。
もちろん、誰だって自分が一番可愛いのです。
これは人間が神によってそのように作られているのですから、それで良いのです。
しかし問題はその次です。
世俗主義者は「自分が一番可愛い」ということのために、全てを犠牲にします。
聖書は、目先の利益のためではなく、永遠の祝福のために自分の命を犠牲にするようにと教えています。

②片方では律法を振り回し信仰が深いふりをするが、もう一方では自分に有利になるように政治権力をも利用する。

このような事が二千年前から行われていたのかと思うと「人間て変わらないね」と妙に納得することです(笑)。
戦前の我が国でも、同じようなことが行われました。
説教壇からは正義や憐れみが語られるのですが、裏では保身のために神道原理主義政府の言いなりになっていたのです。
「ここは天皇陛下の忠実な臣民として振る舞わなければ、非国民扱いされ迫害されてしまう。」
この言葉は二千年前のユダヤ教指導者が叫んだ言葉に、なんと似通っていることでしょうか。

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3.世俗主義の現代教会への影響

①カトリック教会が世界宣教の分野で著しい成果を上げていた時、プロテスタント教会は世界宣教に対して全くの無関心でした。

その時代に宣教を志す者は、プロテスタント教会からの冷笑を覚悟しなければなりませんでした。
その当時のプロテスタント教会の言い分は「もし世界宣教が神の御心なら、神が私たちの先に行ってくださり、あっと言う間に宣教をなし遂げてくださる」というものでした。
思わず「もっと聖書読めよ!」と言いたくなりますが、これが当時のプロテスタント教会の水準でした。

②この世俗主義は日本のキリスト教会に戦前からあったものです。

世俗主義の文化的背景は、人の目を恐れる村社会意識です。
行動の動機が神への畏れにもとづいて神に従順するのではなく、人が自分をどう思うかにもとづいて人の目に格好よく映るように行動するのです。

③よその教会のことには口を出さないというやり方。

なぜこのような事になるかと言うと、「余計な波風は立てない」という考えが背後にあるからです。
聖書がどのように「教会の公同性」を教えたところで、そんなことはお構いなく、自分たちの世俗的論理が優先されてしまうのです。
しかもこれが聖書に反するという自覚さえ持つことがないのです。

罪を犯し、悔い改めようとしない牧師と連携を取り、交わりを平気で持ち、批判されると「これのどこが悪いのか」と開き直る。
その一方で、教会のトラブルを解決しようとする人たちに向かって「神が解決してくださるのだから、そんな余計なことをする必要はない」と言います。

◎世俗主義キリスト者の言い分はいつも同じです。
それは「あなたが言うことが神の御心なら、そんなことは何も私たちがしなくても、神ご自身がしてくださる」ということです。
しかしこれが神の裁きの座で通用せぬ戯れ言であることは、聖書を読んだことがある者にとっては自明のことです。
世俗主義キリスト教は聖書信仰とは相容れぬものです。

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