生協の食品偽装問題について

生協と言えば、利益第一主義でなく、会員の健康のために食の安全を第一に考える組織として、かつては有名でした。
しかし今回、各地の生協で、賞味期限を越えた豚肉を廃棄処分にせず、豚カツにし、さらにそれを冷凍保存すると言う三重の法令違反をしていたことが明らかになりました。
食べた人が「酸っぱかった」と言っていることから、これは賞味期限切れなどと言う生易しい問題ではないことが明らかです。
既に腐敗が始まっていた豚カツを売っていたということになります。
そこで今日はこの問題について、ありのパパが知っていることを書いてみたいと思います。

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①以前から、賞味期限のラベルの貼り替えは普通に行われていた。

ありのパパはかつて営業係としてスーパーとおつきあいがありました。
三十年前の話です。
そのスーパーは小さなスーパーでしたが、店長さんが自分で賞味期限を変更したシールを貼りおなしていました。
ありのパパが目の前にいるのに、平然としている姿から、罪悪感を持っていないであろうことが分かりました。
これがこのスーパーだけの問題なのか、それとも他のスーパーでもやられていたことなのかは分かりません。

②その当時、生協には二種類あり、一つは「生協クラブ」といい、もう一つは「生協」と言いました。

前者の生協クラブは配達中心に活動し、後者の生協は店舗中心に活動していたと記憶しています。(間違っている可能性があります)
ありのパパがその当時所属する教会でも、婦人会の姉妹が熱心に生協活動を行っていたのを覚えています。
生協クラブは農薬や添加物を使わない安全な食品をメンバーの家庭に宅配していました。
宅配と言っても、今のように留守宅の保冷ボックスに置いておくというシステムではなく、地域の婦人たちが配達のトラックがくるのを待って、荷物を受け取り、それを会員に分配するというやり方でした。
今から考えると気が遠くなるようなやり方ですが、当時はそれがあたりまえでした。
しかし次第に共稼ぎの家庭が増えてくるに従って、このやり方を存続させるのが難しくなっていると聞きます。

③生協活動は「食の安全」を利益よりも優先させることを目的とする協同組合運動です。

三十年前、生協クラブのメンバーの顔は輝いていました。
食品添加物を使わない、農薬を過剰に使わない安全な食品の供給こそ、家族にとっての根源的問題であるという問題意識があったからです。
しかし今回の事件では、各店舗の店長さんは異口同音に「もったいなかった」と言っておられます。
ここから明らかなことは[生協運動の理念が完全に失われている]ということです。
農薬を多く使った方が安上がりであり、食品添加物を使った方が食品が長持ちするのは、当然のことです。
それにもかかわらず、生協運動は「値段が高くても早く腐っても、それでも良いから安全な食品が欲しい」と言う人々のための運動でした。

④現在では、生協以外の組織がその志(こころざし)を受け継いでいます。

農薬をなるべく使わないコメづくりに励む農家から直接コメを購入することが現在では可能になりました。
また包装紙の裏を見れば、使われている食品添加物を確認することは容易であり、その気があれば食品添加物を使わない食品だけを購入することも可能になりました。
こうして生協の存在価値が失われて行ったのかもしれません。

⑤生協に存在価値はもうないのでしょうか?

いいえ、そんなことはありません。
たとえばスーパーで売られている餃子には粒状植物性タンパク質という添加物が餃子の肉の重量アップのために使われているのを、皆さんはご存じでしょうか?
知ってか、知らずか、当たり前のように皆さんスーパーの餃子を買っていきます。
ある時、餃子を販売している婦人に「この餃子に添加物は使われていませんね?」と念を押すと、顔色が変わり、口ごもりました。
働いている以上、添加物をたっぷり入れているとは言えなかったのだと思います。
決して嘘を言わなかったその婦人は良心的な人だと思います。

もちろん家で作れば良いと言えばそれまでですが、作る時間のない人も多くおられます。
そのような人々のためにも、今の時代であっても安全な食品の供給は大切なテーマです。
このようなことは、生協でなければ出来ないことではないでしょうか?
ただし、もったいないからと言うことで腐った肉まで豚カツにして売るようでは、このような使命を担うことは出来ないことです。

⑥法令違反行為の最大の抑止力は従業員の道徳心であること。

この売れ残った豚肉の流用は、店長が売り場主任に命じ、売り場主任が担当者に命じて行われたものです。
もし、その中の誰か一人でも、その命令に「お断りします。あなたが言っておられることは明らかな法令違反であり、犯罪行為に当たります」と言える人がいれば、この問題は防げました。
そのような人が一人もいなかったことが、真の問題であるのです。

⑦もう一つの抑止力は、顧客の厳しい目です。

今回事件を起こした店舗に誰も買い物に行かなくなれば、この店は閉店せざるを得なくなります。
顧客が「安ければ何でも良い」と思っている限り、店側の不正はなくならないでしょう。
少しでも怪しい商品を売っている店では買わないようにすれば、競争原理が働きます。

◎安全な食品の供給の実現は、店舗とそこに働く従業員の皆さんと、私たち顧客の切磋琢磨する関係によって育まれていくものです。