神の論理と人の論理

ヨハネの福音書の8章48節を見ると、ユダヤ人の指導者たちがイエスに喰って掛かっている場面があります。
私は時々思うのですが、ユダヤ人の指導者たちは、とても善良な人々であったのではないかと言うことです。
しかしイエス様に彼らの意見が受け入れられることはありませんでした。
なぜでしょうか?
それは神の論理で考えなければならない領域を、人の論理で考えたからです。
そこで今日は皆さんとご一緒に、神の論理・神の領域とは何か、人の論理・人の領域とは何かということを見ていきたいと思います。

1.神の論理で考えなければならない領域

①イエスは『アブラハムが生れる前から、わたしは存在している』と申されました。

この言葉にユダヤ人指導者は躓きました。
なぜ躓いたかというと、論理的に矛盾していたからです。
論理的に矛盾するとは、ある一つのことを否定しなければ、肯定することが出来ないということです。
具体的に申しますと、イエスが只の人間であるということを否定しなければ、イエスがアブラハムが生れる前から存在していたということを肯定できないということです。
これはとりもなおさず、イエスが神であるということを認めることになりますから、なおさらユダヤ人指導者は受け入れることが出来なかったわけです。

②神の論理とは、聖書にある預言は間違いなく成就するということです。

この前提から、すべての事柄が導き出されます。

③神の領域とは、神が御業をなさるのに人間の側の協働(きょうどう)を必要としない領域のことです。

たとえばイエスの再臨は、神の全くの主権の内にあることです。
人間が求めようが求めまいが、来るべきときにいらっしゃいます。

2.人の論理で考えなければならない領域

①神の論理・神の領域に、第三者である人間が入り込むことは出来ません。

そのしてはならないこと、神との個人的な関係に人が入り込んだのが、カルト教会です。
神との個人的関係を第三者が「訓練」したり、神の個人的交わりであるデボーションに「小冊子」が入り込んだりしました。
厳格に言うと、これは皆罪です。

②人の論理・人の領域とは何か?

それは信仰者相互の関係を指します。
たとえば殉教は、神が個人的に信仰者に語りかけてくださるものです。
それをだれかが「お前、殉教せえ!」と言ったら、それは神の領域に人が土足で踏み込むことです。
反対に殉教すべきときに、教会の指導者が「皆の迷惑も考えなさい」と言って、殉教を思い止まるように促すなら、これも同様に神の領域を侵犯しています。
この様なことが現実に戦前の教会で起きました。

③私たち日本人は、神の論理も人の論理もごっちゃにします。

あまり文化的に神と人を区別するというのがないことが、クリスチャンにも影響していると思います。

3.どうやって区別するか?

①殉教なら、それは間違いなく神の論理で考えなければならない領域です。

しかし監督教会に属しているなら、牧師の転任は教団の専決事項です。
監督教会に属している牧師は、「あなたはどこそこに転任してください」と言われたとき、「それは神の御心ではありません。どこに行くかは神がお決めになることです。」ということは言えません。
なぜなら、監督教会に所属すると決めたとき、その問題は教団に委ねたからです。
それがいやなら、はじめから監督教会に属さず、会衆派教会か長老派教会に属すれば良かったのです。

②教会の脱線が起きるときは、いつでも神の論理で考えるべき領域を、人の論理で考えています。

また逆に人の論理で考えなければならない領域を、神の論理で考えてしまうという誤りも存在します。
たとえば「打ちてし止まん・いけいけどんどん」は大日本帝国軍隊の専売特許でした。
いざとなれば神風が吹くと、国民は髙を括っていました。(そんなもん、吹くか!(笑))
人の論理で綿密に考えれば、勝てるわけはないのに、何とかなると思ってしまいました。
人間の領域は人間の自由意志が与えられていますから、その責任は人間がとらなければなりません。
それを神が何とかしてくださると考えるのは、妄想でしかありません。

③従順と盲従と隷従

教会の指導者が従うように言うとき、それは盲従や隷従でないか考えてみると良いと思います。
自分の頭で良く考えて、自分で決断した場合は、その決断が神の御心であるという確信があるなら、間違いがないでしょう。
しかし「指導者が言うのだから」とか「みんなの手前」とか「よく分からないけど、多分大丈夫じゃない?」と思っているなら、あなたは大変危険なところにいると言わなければならないかもしれません。

◎神の論理と人の論理をしっかり区別することは初代教会では当たり前のことでした。
それが段々、神の領域と人の領域の境界がぼやけてしまいました。
もう一度、この区別を信仰に取り戻す必要があると考えます。

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