公正さと、ヨベルの年

[レビ記19:35~37]

1.イスラエルの神であった主は繰り返しカナン入国後、公正な国づくりを行うようにと警告しておられます。

一見当たり前のようにも思えますが、この理由を考えてみることは有益です。

①イスラエルの民がなぜエジプトの国から出たかったかというと、それはエジプト国内において不公平な扱いを受けたからです。

それで自分たちが公正に扱われるためには、自分たちの国を造るほかはないというのが、彼らの出した結論でした。
ですから「公平に扱われる」ということが、建国の肝だったのです。

②しかし自分たちの国を造ったとき、神の警告を無視し、不公平な社会にしてしまいました。

在留の外国人や寡婦・みなし子、貧しい者が著しい不利益を被るような社会でした。
神は苦しむ者の味方となってくださるお方ですから、今度はイスラエルがエジプトと同じく、神に裁かれるようになってしまいました。

③しかしイスラエルは問題の核心に目を向けず、儀式などの宗教的なもので心を麻痺させて、自分自身の良心を偽りました。

そして結果としてイスラエルは滅びます。

◎公正というキーワードがとても重要なものであることが分かります。
神はイスラエルだけの神でなく、キリスト教徒だけの神でなく、万民の神であられるのです。

アメリカは90%の富が1%の人々に握られるという極端に不公正な社会に堕していました。
日本も年間所得二百万円以下の人が一千万人を超えるという不道徳な社会になっていました。
この両国に神の裁きが選挙を通して下されたのだと思います。
願わくはただ単に政権が変わるだけでなく、公正さが社会に満ちあふれるようになりますようにと願います。

2.ヨベルの年とは?[レビ記25章]

ヨベルの年とは、五十年ごとに繰り返される買い戻し規定のことです。
具体的に言いますと、たとえば土地を売っても五十年経ったら無償で返還しなければならないということです。
ここだけを見るといかにも不合理に思えますが、実はそうではありません。
土地に対する権利を所有権と借地権に分離し、所有権は移転させずに借地権だけを売買させることを意味しています。
このヨベルの年の規定は、土地以外のものにも適用されましたので、分かりやすく言うと五十年限定のリース契約ということが出来るでしょう。
残り期限が五十年のときの価値は、残りが二十五年の時に比べて二倍ということであり、あと何年で返還しなければならないかで価値が決まります。

これには様々な利点があります。

①簡単に売ったり買ったりが出来ますから、経済活動が刺激され、経済を活発にします。

②所有権が移転しないことから、富が一部の社会階層に偏ることを防げます(アメリカや日本のようにならない)。

③これは奴隷にも適用されましたので、人権が著しく侵害されることから守る効果がありました。

戦前の日本は富の偏在が、軍部の暴走を招く原因となったと言われます。
敗戦後、GHQによって農地解放、財閥解体、労働組合の結成などにより公平な社会が実現しましたが、戦後も64年経ち、だいぶ富の偏在が目立つようになりました。
ここいらで『日本版ヨベルの年』の実行が必要かもと思っていたところ、民主党政権が誕生しました。
民主党政権の政策は一言で言うと、「ばらまき」ですが、今日の聖書個所から見るとあながち不合理な政策とばかりは言えません。
それどころか神の御意を成就させる聖書的な経済政策と言うことが出来るでしょう。
しかし気をつけなければならないことは、『ヨベルの年』は五十年に一回だけと言うことです。
それを毎年やれば、これはただの『税金のたれ流し』ということになってしまいます(笑)。

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